最近non-LED型のイチョがDeckCheckにも載るようになって
そっちのスレの方が盛り上がってたり。
余裕があればそちらも翻訳します。

ネタ元:http://www.mtgthesource.com/forums/showthread.php?t=13767

相変わらずの教科書訳ですがスルー推奨。
赤字は個人的な異見だったり訳注だったり。

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Ichoridはトーメントの同名のカードとラヴニカの発掘カード群から成り立つデッキだ。
ヴィンテージの同名デッキとの違いは強力なカードである《Bazaar of Baghdad》が無いことであり、エクステンデッドとの違いは《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》の使用とイチョリッドへの依存度だ。
早いターンでのカウンターが難しいエクステンデッドではコンボの有用性が高い。

珍しいかもしれないが、このデッキの勝ち筋はカードを捨てながら3/1即効と2/2の生物をすばやく展開することだ。
この戦略の優れたところは展開が速いだけではなく、レガシー環境に存在する多くのデッキが阻害することの出来ない「墓地」というリソースを使用している、という事だ。

基本戦術はまず、発掘持ちのカードを墓地に落とすこと、そしてこれらのカードで素早くデッキの残りのカードを墓地に落とすことだ。
この過程の中でイチョリッドを繰り返し場に出し、ゾンビを展開していく。
《悪魔の戦慄/Demonic Dread》は2つ目の戦術である。
《炎の血族の盲信者/Flame-Kin Zealot》で速攻を付与したり、《セファリッドの賢者/Cephalid Sage》でさらにライブラリーを掘ったり、ファッティをリアニメイトしたり…とこれらは後述する。

この記事の目的は
・自分、及び他者が成功を収めたリストを検証すること
・それらのカードの取捨選択を検証すること
・サイドボードの検証及びサイドボードを含めたマッチアップの検証
である。

まず初めに、このデッキの歴史を簡単に振り返ろう。
スペースの節約のために、リンクを貼ることとする。

イチョリッドが初めに脚光を浴びたのは2007年のレガシー選手権、Ernest Tuckの物である
http://www.deckcheck.net/deck.php?id=10336

次に変化したものはマナベースの改良、《虚空の力線/Leyline of the Void》の削除、除去の追加が見られる。
http://www.deckcheck.net/deck.php?id=13448

そして、更なる阻害要因への対策として《暴露/Unmask》が採用され始める。
http://www.deckcheck.net/deck.php?id=17796

そして最近では《炎の嵐/Firestorm》、《永遠の証人/Eternal Witness》の採用が見られた。
http://www.deckcheck.net/deck.php?id=19430
最近ではこの形を元にしたものが多くのトーナメント結果を残している。

とりあえず、参照にしてもらうため、私のリストを提示する。
Creatures (25)

4 Golgari Grave-Troll
4 Stinkweed Imp
3 Golgari Thug
4 Putrid Imp
4 Narcomoeba
4 Ichorid
1 Flame-Kin Zealot
1 Eternal Witness

Sorcery (15)

4 Breakthrough
4 Cabal Therapy
3 Unmask
2 Dread Return
2 Deep Analysis

Enchantments (4)

4 Bridge from Below

Instant (1)

1 Firestorm

Artifacts (4)

4 Lion’s Eye Diamond

Land (11)

4 Gemstone Minne
3 City of Brass
3 Cephalid Coliseum
1 Undiscovered Paradise

Sideboard (15)

4 Greater Gargadon
4 Chain of Vapor
3 Firestorm
2 Wispmare
1 Unmask
1 Ancestor’s Chosen


多くのコンボデッキと同じように、イチョリッドも一枚カードを入れ替えただけでデッキが動かなくなりかねることに注意してほしい。
それぞれのカード選択について、これから説明していこう。

4 Golgari Grave-Troll/4 Stinkweed Imp/3 Golgari Thug
昔、数学のできる偉い人が60枚デッキで初手にDredgerが来るて、尚且つ多すぎない一番いい枚数は11だと計算したらしい。
私はこれがDredgerを入れる最小限の数だと考えているし、デッキのフリースペースはDredgerのサポートに対して作るべきである。
私はDredgerが居ないハンドのうち75%はマリガンすべきだと思っている。
Dredgerの選択は単純に掘れる枚数の多い順であるが、それ以外の能力も無視してはいけない。
《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》は再生持ちのファッティとしてリアニメイトできる。
《ゴルガリの凶漢/Golgari Thug》はチャンプブロックをしながら、墓地に落ちた《ナルコメーバ/Narcomoeba》を回収できる。
《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》はクロックの追加や、接死持ちのブロッカーとして使用できる。
そして、凶漢とインプは《暴露/Unmask》や《イチョリッド/Ichorid》のコストにもなれるのだ。

4 Putrid Imp
このカードはデッキで一番のディスカードエンジンだ。
1マナで場に出、インスタントタイミングで制限なくディスカード出来、飛行2点区ロッカー、さらにはイチョリッドの餌にもなる。
似たようなカードに《不屈の部族/Tireless Tribe》がいて、これは非常に優秀なブロッカーだが、このデッキは攻撃よりなので不採用だ。
暴露やイチョリッドのコストに出来ない色であることもマイナスだが
ディスカードできるパーマネントの必要性を感じたら採用するべきカードだ。

4 Narcomoeba
このデッキをただの墓地利用するビートダウンから一級のコンボデッキへと変えたカード。
ゴルガリの凶漢とのシナジーは先に述べたところだが、このカードのおかげで早いターンに《戦慄の復活/Dread Return》が可能になり、さらなる発掘を行える。
それが出来なくても、飛行のクロッカーである。
コンボの可能性を最大限求めるため、4枚必要だろう。

4 Ichorid
4枚。他のフォーマットと違い、レガシーはクリーチャー除去が多いだけではなく、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が非常に効果的で、苦労することになる。
レガシーはほとんどがクリーチャーダメージで戦うフォーマットなので、攻撃する生物の数が多ければ多いほど、それは相手にとって致命傷になる。
よって、より多くのゾンビトークンや発掘が中断した場合にアタッカーを追加する手段を持つべきだ。
共食いさせたり、暴露のコストになることもある。
これらの点から、イチョリッドはこのデッキのキーカードであり、最高のカードだ。

1 Flame-Kin Zealot
次のターンに勝つより、今のターンに勝つほうがいいのは当然だ。
長い間、FKZに変わるカードが提示されてきたが、匹敵するものは無かった。
FKZをリアニメイトすることは簡単に言えば《Time Walk》するようなものだ。
より良いアタッカーやブロッカー、もしくは相手を阻害する能力を持ったクリーチャーも悪くないが、ゲーム1を考えたとき、一番勝利に貢献するのはこのカードであろう。

1 Eternal Witness
議論の多い選択の一つ。
長い間、このスロットは《セファリッドの賢者/Cephalid Sage》が入っていて、これによって残りのライブラリーを発掘しきることが出来た。
その点について賢者は完璧ですが、柔軟性に欠けているとも感じた。
以下に私がトーナメントでWitnessを利用したリストを挙げてみる。
・《打開/Breakthrough》を戻して、場にあるLEDか土地でプレイ
・《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》を戻して場にある土地で起動。もしくはその逆。
・《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》を戻してLED以下略。
・LEDを戻して《綿密な分析/Deep Analysis》
・LEDを戻して《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》のコストに
・LEDを戻して手札にある発掘生物を捨てる。
・LEDを戻して《三なる宝球/Trinisphere》下でのDreadReturnプレイ
・《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》を戻して飛行ビート
・《暴露/Unmask》を戻して安全確認
・《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》、《針の死霊/Needle Specter》、《炎の嵐/Firestorm》を戻して勝ちにつなげる
・とりあえず何かを戻して場にあるLEDで捨てる、2/1のクロックやゾンビを追加。
・ゲームが長引いて4毎土地が並んだときにDreadReturnを戻して生打ち。
突っ込みどころが満載だ…

4 Breakthrough
デッキで最も強力なカード。
コストに反して破格のドローが付いてくる上に、ディスカードまで出来る。
Dredgerを墓地においてこのカードをプレイすれば、勝利は約束されたも同然だ。
4ドロー出来るカードを使わない手は無い。

4 Cabal Therapy
正直、これ以上このデッキにあった妨害カードは無いと思います。
1マナ、FBすると生物が付いてくる、2回プレイできる、そして黒い。
どんなデッキもリカバリーが間に合わないはず。
4枚必要。

3 Unmask
現状最も議論が分かれるカード。
多くの人がこのカードはサイドボードにいるのがベストと考えている。
大局的に考えれば、このカードは3ゲーム目にプレイし、2ゲーム目は必要ない。
そしてゲーム1では相手のデッキの情報を得られるだけではなく、《陰謀団式療法/Cabal Therapy》とともに相手の手札を壊滅させることが出来る。
早いターンでの相手の対策カードに対してハンデスが出来ることはメイン戦で非常に重要である。
最悪、自分自身の発掘カードをディスカードすることも出来る。
これは1T目の《打開/Breakthrough》と共にあると非常に凶悪である。
Geoff Smelskiが初めてイチョリッドのこのカードが入ってるのを見たとき
「なんだこのク○カードは、このデッキだとライフロスのない《思考囲い/Thoughtseize》じゃないか」
といったけど上手いこと言ってるなーと思う。
初手に欲しいのでメイン4にしたいが、《炎の嵐/Firestorm》との兼ね合いもあってメイン3になっている。

2 Dread Return
最小限の枚数。3枚というのも選択肢にはある。
ただこれ以上スペースを空けることは出来ないが…
このデッキで一番有名なカード
早いターンにFKZを釣って勝利するほか、19/19の墓トロールを釣って壁を排除してみたり、永遠の証人と組んであらゆるカードを手に入れたり出来る。

2 Deep Analysis
このデッキで弱いカードの一つ。
ただ、ドローカードを減らすわけにも行かないので必要だ。
LEDと共に使用するのが強力なのは明白だが、土地を2枚並べてFBする事も不可能ではない。
私はマナが無いと完全に死にカード、という点でこのカードは2枚しか採用していない。
永遠の証人がいれば少しは強くなる、起動するためにLEDか土地を戻そう。

4 Bridge from Below
このデッキをトップレベルまで押し上げたカード。何も言うべきことはない。

1 Firestorm
サイドボードから試験的に採用。
1枚刺しのカードを初手に引く確立は低いものの、証人から回収することが出来るので問題ない。
サイドボードから投入するなら必要ないといわれるかもしれないが、最近人気のある部族デッキへの回答をメインから欲しいと思ったため。

4 Lion’s Eye Diamond
最近のレガシーIchoridで意見が分かれる点←間違ってる気がしてならない
Terminator lineは地球に太陽が当たる部分と当たらない部分の境界線の事だったと思うんだけど合ってましたっけ?

最近はメイン《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》も増えてきたから、全てのハンドを墓地に落とすこのカードは非常にリスキーだと考える人もいる。
しかし、このカードほど素早く、軽く、劇的にデッキを動かすカードが無いことも事実だ。
基本的に早いターンにこのカードを置ければ、デッキの速度は倍化する。
言い換えれば「タダでディスカードする」&「タダで3マナが出る」
その結果、比較的遅い《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》や《綿密な分析/Deep Analysis》を1T目に起動することができる。
他にも《目くらまし/Daze》のような追加コストの支払いに当てることも出来たり
《三なる宝球/Trinisphere》や《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》のような阻害カードにも対応できる。
LEDはカウンターに対する回答になるし、《宝石鉱山/Gemstone Mine》と共に出ればストームコンボのような動きも出来る。
先に述べたように証人との相性もいい。
それでもリスク回避を唱える人もいるかもしれない、ただ、結果を残しているバージョンは4枚詰んでいるデッキの1/20にしか過ぎない。

4 Gemstone/3 City/3 Coliseum/1 Undiscovered
繰り返しになるが、11枚というのは初手に1枚来る可能性が高い確立だ。
(ちなみに確立的には4割弱である。2枚以上来る確立も4割弱)
《宝石鉱山/Gemstone Mine》は一般的に一番いい5色カードだろう。
《真鍮の都/City of Brass》のライフロスを《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》で回避しているが、2枚投入はリスクが高すぎる。
一方で知られざる楽園の戻る効果はディスカードの一助となる。
他のリストと異なる点として《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》を3枚しか投入していない。
何度も4枚構成でテストしたが、好きになれなかった。このデッキの強い動きとして5色土地→ハンデス、というものがあり、黒マナを出せない土地に重きを置く必要がない。
土地を12枚にするならそれは可能だ。(それでも私はお断りだが)
12枚以上のリストでは4枚採用しているようだ。

サイドボードの話に入る前によく使われているけど今回のリストには入れなかったカードの説明をしたい。

Careful Study
弱い。深刻なほどに。
1枚から4枚まで入れてテストしてみたけど残念な結果だった。
確かに、ドローとディスカードを備えてるし、サイド後の回答を探すのにも適している。でも多くの場面で都合よく行かない。
多くの場面で私は軽く、尖ったカードを選択するでしょう。

Akroma
早い、飛んでる。
でもStPに引っかかるんだよね。

Woodfall Primus/Angel of Despair
メイン専用かつスロットが空いてればアリ。
多くの場面で攻撃力、若しくは防御力を補うだけのパワーが無い。

Empyrial Archangel
凄く強く見えるけど、これを出したいデッキなら除去できる可能性は十分にある。
それよりも、《祖神に選ばれし者/Ancestor’s Chosen》で20↑回復して返しの攻撃で倒した方が確実だ。

Inkwell Leviathan
墓とロール以外のファッティが必要だと感じるならこれが一番いい選択だ。
ただ、理論上の問題点として、これを出すためにリソースを消費してしまうと相手が対処できた時に負けてしまう、という事。

Lotus Petal
使ったことがない。
基本的に1Tに1マナしか使わないデッキだし、LEDは別として、パーマネントのマナソースの方が良いに決まってる。

Brainstorm
本気で使えるかどうかテストしてみた。
が、結局解決できない問題点が2点あることが分かった。
1つ目は《入念な研究/Careful Study》と同じで(先を見越して)悪めのハンドをキープしてしまうこと。
2つ目はドロー以外の能力を使わないこと。
《打開/Breakthrough》はディスカードというオプションがあるが、《渦まく知識/Brainstorm》はそれがない分劣ってる。
このカードは逆にデッキを低速化させる恐れがある

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とりあえず1/3終わり。
次はサイドボードの選択。

コメント

よしきち
2009年8月9日23:07

ichoridのパーツについての解説ためになりました

firestormなんかの使い勝手とかは、あまりあたったことないので貴重な意見でした

あと
>LEDを戻して《三なる宝球/Trinisphere》下でのDreadReturnプレイ
がそもそもLED3マナなんで出ない気がします・・

choku
2009年8月9日23:32

>よしきちさん
米ありがとうございます。
>三球
あ…まぁ私の記事じゃないので…何ともいえません。
しかし、この記事を書いた人はよほど三球に困らされてるんですかね?
Dredgeで三球をケアするなんて考えたこと有りませんでした。

OCE
2009年8月10日2:43

おもしろい記事有難うございます.
まだNon_LED_Ichoridしかできてないですが
LED4枚集めたくなりましたw
この人のいう11枚という数字も実際確率を出してみると
わかるんですが凶漢を3枚にするスペースが割けなく,
LEDを4枚手に入ったとして土地を11枚にする勇気がないです

社長(リアル引退中)
2009年8月10日9:25

>>ゲームが長引いて4毎土地が並んだときにDreadReturnを戻して生打ち。
ワロタw

でも有用な記事だった。

choku
2009年8月10日23:06

>OCEさん
米ありがとうございます。
凶漢に関しては入念な研究とトレードオフでいいと思います。
この記事では弱いと書いてありますが、私自身はそうは感じませんし、
なによりNon-LED型では綿密な分析が使えないので必然的に研究が多くなると思います。

土地に関してですが、個人的に初手が強く感じるのは打開、入念な研究がある時を除けば5色地形>コロシアムで、
その点では12枚も11枚も変わらないかな、と思っています。
ですので、入念な研究が多ければ12枚の方が安定すると思います。

>社長
ひどい状況だと思います。
ただ記事じたいはかなりしっかり意見を書かれているので、同意するにせよ批判するにせよ、ありがたいなぁと思います。

OCE
2009年8月11日0:58

>chokuさん
なるほど,その辺りは尖ったデッキにするかしないかという
人のよる個性が影響してそうですね.

そういえばM11のBurning Inquiry/燃え立つ調査ってどうなんでしょう?
自分で使った感じでは青マナではない,無作為に捨てるというデメリットが使いにくさを感じましたが.

choku
2009年8月11日2:32

>OCEさん
非常に使いづらいです。
特にサイド後は墓地に落とすもの、落とさないものの選択が重要になるのでランダムのデメリットが強いです。
上にも書いた《渦まく知識/Brainstorm》と同じで結果として低速化してしまうのではないでしょうか?

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